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2015/02/01

建材NEWS

【ガラスブロック】福岡市立こども病院

「福岡市立こども病院」は、福岡市の先進的モデル都市であるアイランドシティに移転新築された西日本唯一の小児専門総合病院である。新病院は、主となる二つのエントランスを結ぶ二層吹き抜けのホスピタルプロムナードと、それに直交するメディカルコリドールを軸とし、骨格を形成している。その二つの軸が交差する場所に「てりはの広場」がある。この「てりはの広場」は、アートが配されたアメニティ空間としての待合エリアであるのだが、病気を患った子供達が不安な気持ちいっぱいで自分の診療の順番を待っている。「てりはの広場」がある場所は、平面形の大きな新病院のほぼ中央に位置しているため、外周部からの光が届きにくいであろう事は設計の段階で分かっていた。ならば吹き抜け上部の天井部分から光を入れてはどうかと考えた。

光の入れ方には様々な方法があるが、光を入れるためだけのトップライトでは無く、そのトップライトが設置されるフロアレベルにおいても機能的なものにしたいと思った。〈コスモグリッド〉はその様なイメージに適切な製品であった。この製品は、単に光を通すだけではなく歩行用でもあるため、ガラスが肉厚で衝撃に強く、床としての使用が可能である。結果、この〈コスモグリッド〉が設置される3階フロアにおいては、屋外テラスとしての利用が可能となった。また性能面においては、このガラスブロックを構成する2枚のガラスが中空で繋ぎ合わされているため断熱性能にも優れており、室内への結露を抑える事が出来た。〈コスモグリッド〉から降り注ぐやわらかな光が、治療に向き合う子供たちの不安を僅かでも拭い去ることが出来ればと思っている。
(株式会社山下設計 九州支社 設計監理部 主管 宮崎修太郎)

建物名/地方独立行政法人 福岡市立病院機構 福岡市立こども病院
所在地/福岡市東区
設 計/山下設計 九州支社
写 真/大丸剛史

※掲載内容は発行当時のものです。

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