ブックタイトル環KAN建材ニュース78

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概要

環KAN建材ニュース78

 日常のちょっとしたことが、発想の源になります。もちろん、旅行などは大きな刺激になりますが、何かしらのアイデアはすべて身の回りに存在していると思っています。たとえば、何かを見て感動したら「、なぜ/どこに感動したのか?」を考える。日常の事象を構成要素になるまで分析してストックしておくことが、後でアイデアになったりします。 美容院でデビューしたせいか、商業建築の仕事が多いのですが、ファサードデザインの場合、コンテクストはありますが要件を解くというよりも人々の関心を引くそれなりに強烈なメッセージが必要になるので、日常の事象を分析したストックが役立ちます。一方で、建築全体をつくる時は、施主の要望や敷地的な要件をすべて並べて、アイデアにつながるポイントを拾い上げていく。条件や要件はその時々で違うので、日常の分析ストックを活かすこともありますが、一から積み上げる方が多いです。施主との丁寧なコミュニケーションからコンセプトを立てていきます。リノベーションの場合は、建築的に要件を並べて考ながら、時に例のストックをポンと投入すると面白い反応が起きることもあります。 私は、最初に強いイメージが浮かぶタイプで、青木さんにも「永山さんは最初から見えてるよね」と言われました。最初に発想の源は、日常の事象を分析すること。浮かんだメージに縛られるというのがコンプレックスだったことも…。いまはそれも個性だと思えるようになって、自分のインスピレーションをどんどん深める方法も、逆にあえて思い付かないように努力して(笑)スタッフからいろいろなアイデアを出してもらう方法も、両方あります。 施主のひと言が突破口になることもありますね。私のイメージを突き詰めることも大事だけど、本当は、考えたこともない何かに出会いたい。そのきっかけを与えてくれる、施主のジャブを期待しています。 偏光板やプリズムシート、ステンレスメッシュなどさまざまな新しい素材を試してきましたが、新しさばかりを探しているわけではありません。素材から発想したり、逆に、表現したい現象から素材を探すこともあります。 ガラスは透明で存在していないふりをしているけれど完全な透明ではなく、反射もあって意外と存在感が強い。ガラスがあることで見せたい現象が反射によって見えなくて「、反射がなければ…」と残念な経験もしましたが、日本電気硝子さんには見えないガラスRがちゃんとある(笑)。 いまは、ガラスの反射をコントロールして活かすことにも興味素材から生まれる発想、発想を具現化するための素材。豊島横尾館( 香川県)05 KAN78