ブックタイトル環KAN建材ニュース78

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概要

環KAN建材ニュース78

永山 祐子(ながやま ゆうこ)1975年東京都生まれ。昭和女子大学生活学部生活環境学科卒業後、青木淳建築計画事務所入所。2002年永山祐子建築設計を設立。2005年JCDデザイン賞2005奨励賞、2012年ArchitecturalRecord Design Vanguard Architects 2012、2014年日本建築家協会JIA新人賞「豊島横尾館」など受賞多数。主な作品は、ルイ・ヴィトン京都大丸(2004年)、カヤバ珈琲(2009年)、木屋旅館(2012年)他。Yuko Nagayamaがあります。豊島横尾館でもガラスの反射を使って現象をつくり出しているし、カヤバ珈琲の天井の黒い透けるガラスは照度によって映り込む景色の色が変化する。反射するガラスと見えないガラスRを組み合わせても面白いかもしれませんね。 大判のセラミックタイルにも注目しており、アンリ・シャルパンティエ芦屋本店で採用しました。3mmの厚さは改修にも使いやすいし、軽い。鉄板風の意匠もいい。これからどんどん使われる場面が増えるのではないでしょうか。 プロダクトデザインにも関わっています。百貨店から声をかけていただき、この春、老舗の皮革製品メーカーとコラボレーションしてバッグをつくりました。第2弾もあるようです。日本電気硝子さんの薄くて曲がるガラスやガラスと樹脂を積層した素材は、プロダクトデザインでも応用が利きそうですね。 大学を出てすぐ青木事務所に入り、20代で独立した世間知らずな人間が、建築を通じて社会を知ることができた。建築がなければ、世の中とつながっていけたかどうか…(笑)。私の場合、対企業の仕事が多いので、いろいろな業界のトップの方やさまざまな人生経験を積まれた方にお会いする機会がよくあります。施主の方向性などを知るためにも、施主の仕事やその分野の仕組みなどを理解するようにしていますが、それが社会の仕組みを学ぶことにもなりました。 世の中の状況を見回し、私なりに解釈して建築というハードで答えるのが仕事ですが、「この場所に、こういう人が集まって、こう活用すれば面白いのでは?」と思うことがあります。建物を「建てる」行為にとどまらず、ソフト面からの提案も含めたプロデュースができるのではないかと。光や音といったその場所の状況、そこで起きている出来事などさまざまな事柄を一度自分の中に取り込み、新しい視点として出す。そんな高性能な変換器になりたいと思っています。 いま、取り組んでいるプロジェクトが12件ほどあり、その中に700名収容規模のホールを含む複合施設もあります。公共的な施設は、さまざまなシチュエーションが求められます。この施設が訪れた人にとって、日々の生活の中で新しい気づきを得る現象や物事を取り入れて転換する きっかけとなればいいなと思います。高性能な変換器になりたい。木屋旅館( 愛媛県) カヤバ珈琲( 東京都)皮革製品メーカーとコラボレーションしたバッグ06