ブックタイトル環KAN建材ニュース80
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環KAN建材ニュース80
Kanagawa Institute of Technology-Workshop(神奈川県) 建築家の人格を超えたプロトタイプのようなシステムをつくることがスタイルだとすれば、「スタイル」で建築をつくるのは、多様化した今の時代に対する提案とはいえない。「スタイル」がある必要はないと思っています。「スタイル」と「個性」は別のもので、「個性」はその人のフィルターを通せば必然的に表れるので、スタイルを掲げなくとも個性を残すことはできます。 建築の歴史の中で、スタイルに縛られずにつくることがここまで正当化される時代はなかったでしょう。たとえばモダニズムの前だと、大きな建築をつくることが権力の象徴で、スタイルが重要視された。スタイルがあることで社会が満たされていた時代もあったけれど、現代はスタイルから自由になって建築家がいろいろな方向を向いてつくることができます。僕は椅子などの家具もデザインしますが、マスにのせないといけないプロダクトは、クライアントの顔が見えなくなってどうしても平均化した機能で応じざるを得なくなったりする。でも、建築はクライアントと一対一の関係が濃く、クライアントの個性や地域・土地の特性によって一つひとつ違う「もの」をつくるスタンスが強い。そう考えると、価値観の多様性に対して考察を深めて提案していくことは、僕に合っている気がする。自分にとって、より面白い時代になっていると思います。04