ブックタイトル環KAN建材ニュース80

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概要

環KAN建材ニュース80

石上 純也(いしがみ じゅんや)1974年神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了後、妹島和世建築設計事務所を経て、2004年に石上純也建築設計事務所を設立。主な作品は、神奈川工科大学KAIT工房(2009年日本建築学会賞、BCS賞)、空気のような建築(第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞 企画展示部門)、VijversburgVisitor Cente(r 2017年オランダ)など多数。カルティエ現代美術財団で個人の建築家としては初の展覧会Freeing Architectureを開催(2018年)。House for Peace(デンマーク)Lecture Hall in the Park(オランダ) 僕は「展覧会が多い」とか「アート寄り」という印象があるようですが、不思議ですね、展覧会は3、4回だけなので…。アートと建築を分ける必要はないと思う。僕の中ではビエンナーレも展覧会も建築も、モノをつくることにおいてすべて同じように向き合っています。僕は建築しかやってこなかったので、建築家の視点でしか考えられないし、建築のスキルしかない。アートか建築かというよりも、今までやってきたことの延長線上、建築を考えてきたことの延長線上でできることであれば引き受けるというスタンスです。僕はできないこと・つくれないことを考えるのがあまり好きではないので、展覧会でも、与えられた場で「建築の可能性をつくる」。そうでないと、引き受けることはありません。 将来の計画は、立てないほうです(笑)。先ほどもいいましたが、目の前の仕事を一つひとつ、きちんとやっていく。その積み重ねです。単純な好奇心としては、新しいものが無数にあるとしたら、すべての新しいものを見てみたいという気持ちはあります。それはきっとどの時代の建築家でも同じで、コルビュジエも、未来の、新しい建築が見たいがためにあれだけのエネルギーを費やしたのだと思う。旅行は新しい景色を見るために日常とは違う場所へ出かけて行きますが、僕は、まったく違った建築をつくるためにいろんなクライアントに会う――旅行に近い感覚かもしれないですね。すべての活動は、建築の延長線上に。