2026.07.17
ガラスのネタ帳
ガラスブロックを"構造"から理解する
街を歩いていると見かけるガラスブロック。光をやわらかく透過して趣のある空間をつくる、ガラスブロックでできた「光壁」が構造的にも法律的にも「窓」と同じ「開口部」であることをご存じでしょうか。
ガラスブロックを「開口部」として使用するためには、適切な施工方法があります。ここでは、日本電気硝子が定めた「ガラスブロック標準施工法」をご紹介します。
まず「ガラスブロック標準施工法」では、金属枠内にガラスブロックをモルタルで積み上げ、一定の間隔で目地内部に力骨(補強筋)を組み込むことで一つの面として成立させています。モルタルと力骨によって面状に連結されることで、面外からの力に対して安定した強度を確保します。




標準施工法の主な特徴は、ガラスブロック壁と金属枠との間にエキスパンションを設け、風圧力や地震力、振動、日射熱によって生じる変形を吸収するということです。これによって、ガラスブロック壁の安全性が確保されます。
ガラスブロック施工用語
❶金属枠
躯体とガラスブロック壁との取合い部に用いるステンレスやアルミニウムなどの金属製枠材で、ガラスブロック工事に先立ってあらかじめ躯体に取り付けておく部材。ガラスブロック壁専用の標準品も別途用意されています。サッシジョイント部の止水はガラスブロック施工前に確実に行ってください。
❷緩衝材(エキスパンション材)
ガラスブロック壁と金属枠との間に充填し、外部応力に伴う面内変形を吸収するための発泡天然ゴム/ポリエチレンフォーム材料。
❸すべり材
ガラスブロック壁と金属枠を分離することで、面外方向の変形を吸収しやすくするためのEPDM系ゴムまたはブチルゴム材料。
❹アンカーピース
ステンレス(SUS304)製で、力骨を金属枠に支持させるためのもの。
➎力骨
ガラスブロック工事専用のステンレス(SUS304)製の補強筋。φ5.5mmの単筋とそれをはしご状に加工したもの。
❻積みモルタル
ガラスブロック積み上げ用のモルタル。
❼GBメジ
ガラスブロック専用の防水化粧目地材。水を加えるだけでよく、調合の必要がありません。色は白色、灰色の2色。 ※灰色は気象条件等により多少の濃淡が生じる場合があります。
❽シーリング材
金属枠とガラスブロックの取合い部またはエキスパンション目地部に施すポリサルファイド、またはシリコーン系のシール材。バックアップテープを用いて三面接着を避けてください。
❾水抜きプレート
ガラスブロック壁下辺の金属枠に取り付け、目地や周辺取合い部より万一雨水が侵入した場合、これを外部に抜く特殊塩ビ材料。
❿水抜き孔
金属枠の下辺に設け、水抜きプレートから抜けた水を外部に抜く孔。
この施工法の要点は、金属枠全体で面外の力を支持するところです。モルタルと一体となった力骨が引張力を受け持つことで、面としての強度安定性を高めています。地震や風圧といった面外の力だけでなく「面内」の力にも配慮されています。

地震が発生すると、建物はその揺れによって変形し、外壁には複雑な力が作用します(層間変形)。ガラスブロック標準施工法では、地震時の破損を防ぐために、金属枠内側の溝に緩衝材・水抜きプレート・すべり材を設け、層間変位を吸収し、ガラスブロック面に力が加わらないようになっています。また、大きな開口部ではエキスパンション目地(伸縮目地)を設けることで、日射熱による影響や地震の影響を低減します。
一見、単純に積み上げられただけのようにも思えるガラスブロックの壁も、実は「ガラスブロック標準施工法」によって、力骨・モルタル・ガラスブロックが一体となった強度のある面がつくられます。こうした見えない納まりによって建物の動きを吸収する仕組みが備わり、耐風圧と耐震、両方の性能を発揮します。
壁のように空間を仕切りながら、光を採りこむ明るい開口部として多く用いられるガラスブロック。見慣れた建材のひとつではありますが、安全を守るために、その施工法には多くの工夫と技術が積み重ねられているのです。
- *その他、ガラスブロック施工写真はこちら
ガラスブロックについてご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。
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