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2025.08.26

ガラスのネタ帳

ガラスの熱割れについてのお話

近頃「ガラスの熱割れ」という言葉を
メディアでよく見聞きするような気が‥

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最高気温が40℃以上を記録するなど、日本の夏の厳しさは近年ひどくなるばかりですね。これだけの猛暑が続くと体調管理や異常気象などいろいろ気になってきますが、実は思わぬモノにも影響が及んでいます。そのひとつが「ガラスの熱割れ」。
今回はこの熱割れの仕組みと、過酷な環境下でも割れずに耐えることのできるガラス、耐熱結晶化ガラスファイアライトについて少しお話したいと思います。




そもそも「熱割れ」って何?

何もしていないはずの窓ガラスに、ある日突然ヒビが入る「熱割れ」。
それはガラス内部の温度差が大きくなった場合に発生する現象です。

具体的な例を挙げます。
たとえば、夏の強い日差しが窓ガラスを透過して触れないくらいに熱くなっているところへ、クーラーの冷たい風が窓ガラスの一部に当たり続けるなどして、ガラスの内部で局部的に温度差が大きくなります。そして、そのガラスに発生した応力* に耐えられなくなって割れてしまうのです。これが「熱割れ」です。

※応力 ‥ 外部から力や熱などの影響を受けた場合にガラス内部で生じる力のこと。

AdobeStock_51929929_a.jpgこの現象、これまで夏場よりも冬場に多いとされていましたが、冒頭でも触れたように暑い夏の日に発生するケースも多く聞くようになりました。

(ちなみに冬場の熱割れは、朝の陽射しが夜間に冷え切った窓ガラスに当たる→ ガラス中心部は温まっていくものの、窓ガラスの端の部分を飲み込んでいるサッシはなかなか温まらない→ 窓ガラスの中央部分とサッシに覆われた部分とで温度差が発生→ 割れてしまう ‥といった具合で発生します。)




網入りガラスの機能と課題

網入りガラスは、火災時にガラスが割れても内部のワイヤーがガラス片の脱落を防ぎ、炎の燃え広がりを抑えるという重要な機能を持つ 防火設備用ガラス(防火ガラス)として、長く使用されています。
一方、日常的な環境下では 金網が入っていることで強度的に弱くなること、また、金網の錆びが引き金となることなどで 普通のガラスよりも熱割れが起こりすいガラスでもあります。このほか、視覚的な閉塞感や 不法侵入時にガラスを割られても音が発生しにくいため気がつかれにくいなどの課題も指摘されており、使用環境に適したガラスの選定は私たちにとって大切だと言えます。



防火ガラス「ファイアライト」の性能!

日本電気硝子が製造、電気硝子建材が国内販売する防火ガラス「ファイアライト」は、熱膨張係数がほぼゼロの耐熱結晶化ガラスでできています。この特性により、温度差による膨張・収縮が起こらず、熱割れの原因となる応力が発生しません

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※ 実火災に近い条件下の実験でもファイアライトは破損せず、他の防火ガラス(耐熱強化ガラス)との性能の差が明確に示されました。詳しくはこちらの動画をご覧ください。




まとめると‥

熱割れは、日常の温度差によって生じるガラスの不具合であり、特に近年の気象状況では注意が必要な現象です。

耐熱結晶化ガラス「ファイアライト」は温度差による応力が発生しない性質を持つ防火ガラで、熱割れリスクのないガラスでもあります。

火災時に防火性能を発揮するのはもちろん、網がないことからすっきりとした視界を確保し、日常の過酷な環境下でも安定した性能で熱割れの心配のないガラス、ファイアライトの入った窓サッシを選定の際、選択肢の一つとして是非ご検討ください!

ファイアライト特設サイト 

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