
2025.09.01
ガラスのネタ帳
[防災の日]火災対策において "盲点" は窓だった?
9月1日の「防災の日」を前に 日本電気硝子が防災意識調査(*1)を実施したところ、私たちの暮らしに潜む盲点が明らかになりました。
それは、地震発生後には火災リスクが伴うこと、そしてその火災の抑制には「窓ガラス」が重要であるという認知度の低さです。
今回の調査で「首都直下地震で死者の約7割が火災による」という内閣府の想定(*2)を、実に84.8%の人が知らなかったという結果が出ました。地震の揺れによる建物倒壊や家具の転倒・落下などだけではなく、地震発生後の火災が命を奪う大きな要因であるにもかかわらず、その認知は進んでいないと言えます。
*1 調査概要 調査対象 20歳〜69歳の男女/調査手法 インターネット調査/調査日 2025年7月23日(水) /有効回答数 600サンプル
*2 出典 内閣府「首都直下地震の被害想定等について」
さらに、「火災時に窓ガラスが割れることで被害が拡大する恐れがある」というリスクについても、75.5%が「知らなかった」「詳しくは知らなかった」と回答。実は火災拡大の一因となる窓割れを考慮すると、窓ガラスは炎や熱を遮る重要な部位でありながら、その大切な機能や役割などは見過ごされがち‥という実態が見えてきます。
家庭の防火対策はわずか5.8%‥
災害対策として「防災バッグの準備」や「家具の固定」は多くの家庭で行われていますが、火災への備えは極めて少数派。火災に対して3割以上の人々が不安を感じているにもかかわらず、実際に「防火対策をしている」と答えた人はわずか5.8%。また、35%が「何もしていない」と回答しており、火災リスクへの意識と行動のギャップが浮き彫りになりました。
「網入りガラスは強い」って本当?
今回の調査では、「防火ガラス(火や熱に強いガラス)」を「知らない」と回答した人が6割以上(61.0%)にのぼりました。また「網入りガラスは熱に強いと思うか」という問いに対し、約半数(47.7%)が「熱に強い」と回答するなど、窓ガラスと熱に関する正しい理解が広く浸透していないことが分かってきました。
網入りガラスは、火災時にガラスが割れても内部のワイヤーがガラス片の脱落を防ぎ、炎の燃え広がりを抑えるという重要な機能を持つ防火設備用ガラス(防火ガラス)として、長く使用されている一方、金網が入っていることで日常的な環境下では強度的に弱いガラスです。不法侵入時にはガラスを割られても音が発生しにくく、気がつかれにくいなどの課題も指摘されているほか、冬場や猛暑の折には、熱割れの恐れもあります。
「火を入れない・広げない」、新しい防災の視点!
防災といえば「逃げる準備」が中心となりがちですが、これからの時代は「火を入れない・広げない」備えも重要です。そこで注目されるのが、日本電気硝子の耐熱結晶化ガラス「ファイアライト®」です。このガラスは 800℃の高温にも割れず、消火活動による急冷にも耐えられるほど熱衝撃に強い特性を持ち、東京消防庁の火災実験や米国UL規格にも適合。公共施設や教育施設はもちろん、住宅やビルなどでも採用の輪は広がっており、業界トップクラスの防火性能を誇ります。
いつ発生するか分からない、災害。
「防災の日」をきっかけに「窓」という視点から火災対策や住まいの安全について見直すことが、大切な命を守る第一歩になるかもしれません。
出典元:日本電気硝子株式会社
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