2026.06.19
デンキガラス建築探訪
ファイアライト採用例:PILLAR 福知山事業所 第2工場
電子関連機器や産業関連機器に使用される流体制御製品の総合シールメーカー、株式会社PILLAR。 2023年に開設した第2工場は「魅せる工場」を目指し、大規模クリーンルームには見学通路が配され、大開口の見学窓が設けられています。ものづくりの現場をひらき、働く人々の日常の豊かさも底上げする新しい工場の形です。東畑建築事務所の根木和人さん、立松裕規さんにお話を伺いました。
「魅せる工場」をつくるために、
生産現場を「見せる工場」をつくる。
京都府の北西に位置する福知山市にて長年稼働している第1工場に続いて第2工場を建設するにあたりプロポーザルが実施され、弊社が選定されました。「魅せる工場にしたい」という企業の思いに沿い、製品の品質を支える高水準のクリーンルームを実現する他、快適な職場環境を提供し、企業のプレゼンス向上を目指すことを提案しました。
大規模なクリーンルームがこの建物のメイン空間で、均質な清浄度を確保する空調方式を全域で採用しています。ここでの製造工程をより多くの人々に見てもらえるように、4層吹き抜けのエントランスホールに沿った長い見学通路を各層ごとに配し、クリーンルーム内がよく見える大開口の見学窓を設けました。エントランスホール奥のショールームからクリーンルームまで、お客様を一連の流れの中で誘導できるのも効果的です。この見学通路と見学窓 は、会社の魅力を外に対して訴求する ものであると同時に、職場環境の魅力づけにも寄与するものだと言えます。工場全体でも高水準の環境性能を有し、『ZEB』(ネットゼロエネルギービル)ならびにCASBEE(建築環境総合性能評価システム)のSランクを取得しています。

中庭に面した壁一面に6300個を超えるガラスブロックを採用。通り庭のような空間を通って室内へと入る。




- 4層吹き抜けのエントランスホール。右手にまっすぐのびる廊下は2階・3階・4階のクリーンルーム見学通路。 1階奥はショールームにつながる。
- 見学通路側全面に設けられた見学窓には、特定防火設備の耐熱合わせガラスを使用。ファサード越しの自然光がクリーンルームへと行き渡る。
- 働く人々に寄り添って考えられた、自然の風景を享受できるクリーンルーム。
- 開放的なシースルーの見学通路。さまざまな角度から製造工程を見学できる。





生産施設というものはこれまで閉鎖的になりがちでした。でも実は、工場は科学館のような "知る面白さ"の詰まった空間であり、見せることに前向きであればその魅力を引き出すことができます。ショールームだけでなく生産エリアもオープンにすることは、パブリックマインドを持ったサステナブルな企業としての姿勢を 示すことと同義ではないでしょうか。
取材協力/東畑建築事務所 根木和人様、立松裕規様
PILLAR福知山事業所 第2工場(京都府)
| 設計 | : | 東畑建築事務所 |
| 施工 | : | 清水建設 |
| 使用建材 | : | 耐熱合わせガラス |
| 写真 | : | 時空アート |
- ※本記事は「環86号(2025年発行)」の記事を再掲したものです。
- ※本誌はこちらからご覧いただけます。
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