2026.08.28
デンキガラス建築探訪
ファイアライト採用例:Co-Housing Tamagawa-Denenchofu

地域の人たちが集い
100年の時を刻むCo-Housing
「Co-Housing Tamagawa-Denenchofu」は、玉川田園調布の学園通り沿いにある、南棟と北棟の2棟からなる建物です。南棟の1階は店舗とコモンハウス、2、3階は5世帯の賃貸住居、北棟は1階と地下が店舗、2階が賃貸住居になっています。Co-Housingとは、居住者がコモンハウスや庭などの共用スペースをシェアし、コミュニティを形成しながら暮らす集住の形態のことで、1960年代にデンマークで生まれ、1980年代に北米を中心に広まりました。オーナーは住宅建築の研究者で海外生活も長く、本プロジェクトでは「Co-Housing」と「パッシブハウス」というテーマを軸に、4つのコンセプトを掲げて二人三脚で進めさせていただきました。
コンセプトの1つ目は「コミュニティを育む」として、南棟と北棟の間に設けた中庭と、建物前の約5mのセットバック(前庭)をマルシェ等の地域の活動の場として開放しています。また、エントランスホールにギャラリー、1階にはコモンハウスを設けて居住者や地域の人々が利用できるようにしています。
2つ目は「街並みをつなぐ」として、隣接する建物「アビターレ玉川田園調布」や「ケヤキガーデン」との連続性を意識しています。これらは同じオーナーが所有する集合住宅で、建築家の堀部安嗣さんが設計されました。同じバス通りに面するこの2棟の集合住宅の外壁には、岐阜県の土で作られたオーダーメイドのタイルが張られており、調和のとれた街並みづくりを意図し、今回も同じタイルを使用しました。
3つ目は「100年の時を刻む」です。RC外断熱通気工法とタイル張りで耐久性を高め、設備の維持管理のしやすさに配慮し、将来の店舗や住居の間取りの変化に対応できる準備をしています。
防犯性や日射遮蔽を考慮して、外壁には木製の雨戸をデザイン。木の耐久性を高めるために高温熱処理した木材を使用している。
多くの窓に「日本の窓」のファイアライト®入り木製サッシが使用されている。
1階のコモンハウス。
ファイアライト®を使用した開口部から、車や人通り、紅葉の並木が見渡せる。
防犯性や日射遮蔽を考慮して、外壁には木製の雨戸をデザイン。
木の耐久性を高めるために高温熱処理した木材を使用している。
多くの窓に「日本の窓」のファイアライト®入り木製サッシが使用されている。
1階のコモンハウス。
ファイアライト®を使用した開口部から、車や人通り、紅葉の並木が見渡せる。
断熱・視認・防音の観点からファイアライト®入り木製サッシが最適だった。
そして4つ目が「環境と健康への配慮」です。室内環境の快適性、環境負荷や光熱費の軽減という観点からも断熱性を徹底的に高めています。壁の内側と外側の両方に断熱材を使用していますが、今回はタイルを張るデザインが決まっているなかで、とくに外断熱をどうするかという点が大きなハードルでした。そのため特殊な工法にはなりましたが、しっかりと断熱された、パッシブハウスの認定基準レベルの、非常に快適な住空間ができたと思います。
今回、高い断熱性能を確保しようとするとアルミサッシでは限界がありました。そこで木製サッシになるのですが、防火認定を取得していて高気密・高断熱性能を備えた木製サッシがなかなか見当たらない。私なりに調べて、最終的にファイアライト®入り木製サッシにたどり着きました。アルゴンガスの入ったファイアライト®入りペアガラスとトリプルガラスを採用しているタイプで、非常にハイスペックになっています。そうなると、網入りガラスという選択は私の中ではありえないので、当然、網なしガラスになるわけです。
防犯性や日射遮蔽を考慮して、外壁には木製の雨戸をデザイン。木の耐久性を高めるために高温熱処理した木材を使用している。
外にもれる暖かい光が、瀟洒な街の夜の景観と調和する。 
また、敷地が少し高台になっていて、西側に向かって斜面が下っていくため3階の部屋からは街並みが一望できます。さらに、夏に開催される多摩川の花火大会は部屋の中が特等席になる。北側の窓からは東京タワーやスカイツリーが見えるなど、見晴らしの良さからも網入りガラスは避けたいところでした。もちろんそれだけでなく、建物と通りとの関係を大事にするうえで、その境界にあるガラスが透明であるということはCo-Housingの性質としても必須じゃないかと思います。それから、通りを挟んで向かいの家の方がニワトリを20羽くらい飼っていて、そのニワトリが四六時中鳴くようなので、防音対策としても良かったようです(笑)。とにかく、あらゆる面でファイアライト®入り木製サッシを採用したことに満足しています。
取材協力/アルセッド建築研究所 武田光史様
Co-Housing Tamagawa-Denenchofu(東京都)
| 企画・管理 | : | コミュニティー・ハウジング |
| 建築設計 | : | アルセッド建築研究所 |
| 構造設計 | : | 山辺構造設計事務所 |
| 設備設計 | : | ZO設計室 |
| 外構設計 | : | エキープ・エスパス |
| 施工 | : | 奥村組 |
| 使用製品 | : | ファイアライト® ネオ |
- ※本記事は「環85号(2024年発行)」の記事を再掲したものです。
- ※本誌はこちらからご覧いただけます。
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