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2015/02/23

建築レポート

【建築レポート】 ガラストップライト今・昔(後編)

『建築レポート』の大阪特派員Sです。
営業を通じて建築に触れる機会が多く、建築史を学んだわけではないのにいろいろな時代の建築を見るのが好きになってしまいました。この「建築レポート」では大阪の近代建築を中心に、気になる建築を紹介していきたいと思います。

前回のお話はコチラ »

床にガラスを使う歴史は古く、マンホールのような円形鋳鉄蓋にガラスをはめ込むタイプは18世紀からあったようです。そして「ヴォールトライト」と呼ばれる四角形鋳鉄枠にガラスを入れるタイプが、また19世紀末には、現在と同じガラスがメインのタイプが登場します(ウィーン郵便貯金会館など)。

日本にガラスのトップライトが入ってきたのは20世紀に入ってから。大阪ガスビルはかなり早い使用例と言えるのではないでしょうか。大阪ガスビルのデッキガラスは、鋳鉄枠に厚板ガラスをはめ込んだシンプルな納まりです。

そして、この形状を発展させ、今から50年以上も前にガラスブロックの試作研究を始めた私たち日本電気硝子は「鋳鉄枠型トップライト・プリズムガラス」の開発に至ります。鋳鉄枠で荷重を受け、そこにガラスを嵌め込むという基本形状は同じですが、鋳鉄の熱膨張や変形などを考慮したスペーサーを設けるなどの細部の工夫がなされました。

現在では、鋳鉄枠をステンレス枠に変更し、プリズムガラスを中空のガラスブロックに置き換えた、強度・防水性・メンテナンス性が向上した歩行用トップライト<コスモグリッド>に進化しています。

大阪の近代建築と絡めたガラストップライトについてのレポートは今回で終わりです。
近代建築とガラスブロックについては、また違うテーマで取り上げたいと思います。

»【建築レポート】 ガラストップライト今・昔(前編)

関連リンク:
・歩行用トップライト<コスモグリッド>
・納まり図pdf

※掲載内容は発行当時のものです。

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